背負って、空気から水をつくる。

HydroBeetleは、湿った空気から水を集めるバックパックを東京大学で開発しています。発想のもとになったのは、砂漠にすむ甲虫です。

湿った空気が、冷たいパネルにふれる。

ディンプルの上に、水滴ができる。

水滴は流れ落ち、トレイにたまる。

支えてくださった機関と、これまでの歩み。

モンゴルの乾いた草原に建つゲル(2024年)。

水は、どこか遠くにあることが多い。

水は、人のいる場所まで運ばなければなりません。水道管で、給水車で、あるいは人の手で。家がまばらな土地や、供給が止まったときには、届かないこともあります。

2億時間 世界の女性と女の子が、水くみに費やしている1日の時間です。 ユニセフ、2016年 (新しいタブで開きます)

その水の一部を、身のまわりの湿った空気から得られたら。

できます。この水滴は、ふつうの部屋の空気から生まれました。

集水パネルの表面をおおう水滴。下の縁から一滴が皿に落ちる。集水パネルの表面をおおう水滴。下の縁から一滴が皿に落ちる。
集水パネルの卓上試験(2026年4月)。

自然に学び、未来へ。

ナミブ砂漠の黒い甲虫、Onymacris unguicularis。砂の上で頭を下げ、背中を霧の中へ持ち上げている。
写真:GbbIT、CC BY-SA 3.0 (新しいタブで開きます)

ナミブ砂漠の甲虫は、朝の霧を飲みます。背中のでこぼこに水滴が集まり、口元へ流れるのです。私たちの集水パネルは、この仕組みに学んでいます。

目標は、身のまわりの空気から水を集め、太陽の光で動き、水道管のいらないバックパックです。

これまでの5つの試作機。

それぞれが、前の試作機で見えた課題に取り組んでいます。

  1. P12025年9月段ボールの箱
  2. P22025年9月冷やす仕組みを追加
  3. P32026年2月空気の流れを整える
  4. P42026年3月閉じた箱
  5. P52026年4月熱を逃がす工夫

実際にいただいた疑問。

お店のない場所で3日間過ごすとき、1つだけ持っていくなら何を選ぶか。37人に尋ねたところ、29人が「空気から水をつくる装置」を選びました。そのときに挙がった疑問を、そのままの言葉で紹介します。

本当にそんなことができるの?

“本当にそんな事できるかわからないから。”

アンケートの回答

できます。面を十分に冷やすと、空気中の水分がそこで水滴になります。夏の冷たいグラスと同じです。5台目の試作機は、いま実験台の上でそれをやっています。次につくるのが、バックパックです。

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重さはどれくらい?

“重さが書かれていないので、とても重ければ避ける”

アンケートの回答

最新の試作機は約2 kgです。バックパック全体はそれより重くなります。完成したら、重さをお知らせします。重さは、私たちがいちばん気にしている点です。目標は、背負う1キロあたりの水を、もっと多くすることです。

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フィルターを持っていけば十分では?

“フィルターのほうが、装置より軽い。”

アンケートの回答(英語から翻訳)

川のそばなら、フィルターのほうが軽く、私たちもそちらを持っていきます。ただ、フィルターは近くに水がなければ使えません。HydroBeetleは、水がない場所や、水が止まった日のためのものです。

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どんなときに必要?

“日本で全く水資源が枯渇するシーンを想像しにくいから。”

アンケートの回答

水道が止まったときです。地震や台風で、水が何日も止まることがあります。私たちが尋ねた29人のうち17人は、家にある水が2日分以下でした。水道から遠い屋外で長く過ごす日にも役立ちます。

水はきれい?

“より綺麗な水が作れそうだから”

アンケートの回答

まだわかりません。推測もしません。設計では、水は出口でフィルターを通ります。誰かが飲む前に、第三者機関で検査します。

次に確かめることを見る

次は、バックパック全体です。いっしょにつくりませんか。

水の届きにくい場所での実証、製作への支援、そしてあなたの体験談。どれも力になります。